つれづれなるままにWINGSFAN
Tribute Vlog for Paul McCartney & Wings
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Yesterday  Here Today  Go Now
TV , ラジオ
8/20 12:35~14:35 ザ・ビートルズ ~ EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years WOWOWシネマ

イベント
8/20 19:00 サージェント・ペパーズ発売50周年記念トーク・イベント (6) メンバーを取り巻く世界
8/24まで MUSIC LIFE パネル展
8/25 19:30 ビートルズカフェ
8/25~11/9 センシビリティ アンド ワンダー
8/26 16:00~18:00 ジョン・ドーヴ&モーリー・ホワイト サイン会
8/27 12:30 ビートルズ・アナログ鑑賞会 Vol.11 ポール・マッカートニー「フレイミング・パイ」20周年記念特集
8/27 16:30 石引パブリック1周年記念 トークショー&ライブ もっと!ポール・マッカートニー!
9/17まで ジュリアン・レノン写真展 Cycle 東京
9/17まで ジュリアン・レノン写真展 Cycle –Life Cycle– 東京
9/17まで ジュリアン・レノン写真展 Cycle –River Life– 京都

BD , DVD
8/23 サウンドブレイキング (ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、ジョージ・マーティン出演)
10/3 パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 海外盤

アナログ盤
8/29 ザ・ビートルズ・LPレコード・コレクション アビイ・ロード
9/1 ビートルズ サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド US盤
9/12 ザ・ビートルズ・LPレコード・コレクション サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
9/22 リンゴ・スター Give More Love
9/26 ザ・ビートルズ・LPレコード・コレクション ラバー・ソウル
10/10 ザ・ビートルズ・LPレコード・コレクション ザ・ビートルズ (2枚組)
10/24 ザ・ビートルズ・LPレコード・コレクション ヘルプ!(4人はアイドル)
後半? ヨーコ・オノ ストーリー , シーズン・オブ・グラス , イッツ・オールライト , スターピース , 未完成作品第3番 ウェディング・アルバム
後半? ポール・マッカートニー 全カタログ再発

本 , 雑誌 , ムック
8/31 ビートルズ・ストーリー Vol.9 '70
9/7 悪魔のジョン・レノン
9/8 ビートルズはどこから来たのか 大西洋を軸に考える20世紀ロック文化史
9/12 隔週刊CD付きマガジン JAZZ VOCAL COLLECTION 36号 ビートルズ・ジャズ・ヴォーカル
9/21 絵本「Imagine」
2018年 The Beatles: Yellow Submarine

LIVE
9/11~10/2 ポール・マッカートニー 米国
10/13~20 ポール・マッカートニー ブラジル
10/24 ポール・マッカートニー コロンビア
10/28 ポール・マッカートニー メキシコ
12/2~12 ポール・マッカートニー オーストラリア
12/16 ポール・マッカートニー ニュージーランド

CD
9/12 隔週刊CD付きマガジン JAZZ VOCAL COLLECTION 36号 ビートルズ・ジャズ・ヴォーカル
9/13 ビートルズ ハリウッド・ボウル 1965
9/13 ビートルズ ライブ・アット・ブドウカン 1966
9/15 リンゴ・スター ギヴ・モア・ラヴ
10/6 ダニー・ハリスン IN///PARALLEL US盤
12/15 チャリティー・アルバム (ポール・マッカートニー参加) UK盤
後半? ヨーコ・オノ ストーリー , シーズン・オブ・グラス , イッツ・オールライト , スターピース , 未完成作品第3番 ウェディング・アルバム
後半? ポール・マッカートニー 全カタログ再発

グッズ , ゲーム
9/30 ビートルズ コラボTシャツ
10/1 ビートルズ&ほぼ日手帳2018 コラボ手帳

映画
年内? ポール・マッカートニー High In The Clouds
年内? A Life In The Day

          

          


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サージェント・ペパーズ50周年記念盤は何がどう変わったのか? ハイレゾやBDなど全曲徹底解説
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

第一章 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 成り立ちと音楽上の意義
いよいよ本日、5月26日、ビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」発売50周年を記念したスペシャル記念エディションが発売される。「アンソロジー」に始まるアップルのビートルズ関連のアーカイブは休みなく続いているが、仕立て直しのリプロダクトである「レット・イット・ビー ネイキッド」や「イエローサブマリン~ソングトラック」は別として、バンドが現役時代にリリースした12作(注1)のオリジナルレギュラーアルバムの一枚が単独でアーカイブされたのは、今回の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が初である。ビートルズは1963年にデビューし、1970年に解散したので「○×発売50周年」の題材なら毎年のようにあるわけだ。だが、記念すべきデビューアルバム「プリーズ、プリーズ・ミー」の時も、初の全曲オリジナル、主演映画公開が彼らを一躍全世界のアイドルに押し上げた「ア・ハード・デイズ・ナイト」も、日本で最も人気の高い不滅のバラードの宝庫「ラバー・ソウル」の時も、「発売50周年記念盤」はなかった。

サージェント・ペパーズはなぜ“別格”なのか
最初にして唯一の8トラック録音作「アビイ・ロード」や、数奇な運命を辿った「レット・イット・ビー」が16mmフィルム → 4Kデジタルスキャンの映画BDセットで発売されることは今後あるかもしれないが。なぜ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が別格なのか...そこから考えてみよう。「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」はペパー軍曹(巡査部長かも)率いる架空のバンドの一夜のショーを再現した音楽劇だ。ふとした会話からのポールの思いつきでアルバムの構想がスタートした。現代社会の事件や世相に題材を得たアクチュアルな曲(「フィクシング・ア・ホール」「グッド・モーニング・グッド・モーニング」)からミュージックホールの音楽を模したノスタルジックな「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」、前作の「ラブ・ユー・トゥー」に比べ、より本格的なインド音楽の「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」と曲想は様々だが、それらの奥にも「同時代感覚」が通奏低音的に鳴り響いていることが特徴だ。曲間のブランクがほとんどなくクロスフェードも使いメドレー形式で演奏、タイトル曲のリプライズでペパーバンドが一旦退場、バンドの正体であるビートルズが姿を現し現代の不安や孤独を生々しく歌うシリアスなバラード「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」で全巻の幕。ジョージが学んだウパニシャッド哲学や当時世界を席巻していた実存主義の影響も感じられる。本作は1966年12月6日にEMI第2スタジオで録音開始(「ホエン・アイム・シックスティーフォー」)(注2)、翌年4月3日当時の常識で考えられなかった約4カ月を費やして録音終了した。収録700時間は「プリーズ・プリーズ・ミー」のそれの実に318倍。4トラック(もちろんアナログ)録音。同月21日にノイズと会話の断片を入れて編集作業終了、同年6月1日に英国で発売された。1970年代まで本作は「トータルアルバム」先駆作と表現された。現在はむしろ「メタ音楽劇」としてクローズアップされることが多い。サージェント・ペパーズ発表当時の衝撃波は巨大なものだった。それまでモダンジャズ大曲を除きポピュラーミュージックのLPは楽曲の詰め合わせでしかなかった。LP全体を使い切りエッジな時代感覚を音に昇華したのが本作で、しかも晦渋でなくエンターテインメント性が高い。バラエティに富む楽曲は楽しく美しくアレンジはカラフル、歌詞はユーモアとウィットに満ちていた。そして後述するが録音に傾注されたアイデアとテクノロジーの素晴しさ。ポップミュージックがこれだけの表現をなし得る、を証明し、ポップス<ジャズ<クラシック、という音楽の常識を覆したのだ。本作はイギリスで27週、全米で15週アルバムチャートの一位を記録、同年のグラミー賞ポップミュージック最優秀アルバムに選ばれた。英ロック初の快挙だ。追従作は枚挙に暇がなく、トータルアルバムとしてはピンク・フロイドやジェスロ・タルを初めとしたプログレッシブロックの名盤の数々、イーグルス「ホテル・カリフォルニア」やスティクス等アメリカン・ロックの名作を生む。メタ音楽劇としての一例を挙げれば、秋本奈緒美が時空を超えた架空のジャズの歌姫を演じるアルバム「Rolling 80's」はサージェントの着想そのままだ。ビートルズの最終録音作「アビー・ロード」が大変な賞賛を持って登場した後、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」とどちらが優れているかという議論がイギリスで巻き起こり、結局ジョンの「私が聴き比べた結果、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の方が上と思います」という発言でけりがついた。つまり、本作は長きに渡ってバンドの代表作の名をほしいままにした。1980年代の後半に入り威光に翳りが見え始める。ロックがポップミュージックの主流としてもはや確固たる地位を占め、ポストモダン時代にメインカルチャーとサブカルの対立競合の図式が崩れると、本作の音楽的野心とコンセプチュアルな面、さらにジャケットワークまで含む仕着的統一感が新時代のリスナーにとって「カッコ悪くてダサい」ものに映り始めたのだ。LPに代わり、CDがパッケージの主役になったことも背景にあるだろう。ストーリーを通して聞く一枚のアルバムとして本作の完成度は抜群に高いが、変則再生も可能なCDで楽曲単位で聴くなら、本作を上回る作品がビートルズには他にある。かくして楽曲の多彩さと個々の魅力に勝る「ラバー・ソウル」「リボルバー」「ザ・ビートルズ」(ホワイトアルバム)に代表名作の座を奪われてしまう。21世紀になり本作は再びクローズアップされる。音楽配信(ダウンロード、ストリーミング)の時代になりCDが世界的に退潮し「音楽はコンサートで聴くもの、録音された音楽はアーティストの名刺代わりに過ぎない」という考えが支配的な今、録音時間は最大50分、A/B面で構成というLPの制約を逆手にとり、気迫に富むバンド演奏、巧緻を極めたアレンジと編集作業が生む起伏に富んだ流れの「四十数分間の音楽体験」が再び輝きだした。文化は螺旋状に進歩していく。ポップミュージックも例外でない。それではいよいよ、本日発売の「サージェントペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド 50周年記念」をデラックスエディション(CD/Blu-ray/DVD 7枚組)中心に聴いて(見て)いこう。

※ レコーディング日付の出典は「ザ・ビートルズ全記録(2)」(マーク・ルイソン著)に拠る
注1 米キャピトル編集LP「マジカル・ミステリー・ツアー」が公式オリジナルアルバムに認定され現在は13作
注2 新作アルバム用録音は1966年11月24日「ストロベリフィールズ・フォーエヴァー」から始まったが、シングル先行発売され、アルバムに収録されなかったのでここでは除外する

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド -50周年記念エディション-

第二章 「50周年記念エディションの構成」
今回の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」記念エディションは、日本では SHM-CD シングル仕様、ダブルアルバム、輸入盤LP二枚組・Blu-ray/DVDを含む6枚組<スーパー・デラックス・ボックス・セット>まで、4種類の記念エディションが発売される。それぞれのエディションの詳細については公式サイトを見てほしい。今回は<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のプルーフ(発売前試聴盤)全てを聴いた。LP二枚組を除く今回全ての仕様に共通する中核となる存在が、ジャイルズ・マーティン、サム・オケルによる2017年版全曲ステレオミックスだ。モノミックスは<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のCD4にのみ収録される。それでは、最新の2017年版ステレオミックスを1987年のステレオミックスCDと比較して聴いてみよう。全曲を聴いた印象は、旧盤は高域寄りのバランスでやや煩い。ノイズでやや音が曇り量感も損なわれている。ステレオの分離を重視したLPステレオミックスに準拠し、楽器定位が不自然だ。それが新盤は帯域ことにローエンドの拡大が目覚ましく、楽器定位がまともになった。

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
旧盤はポールのヴォーカルが右寄り。コーラスはやや左から聴こえる。新盤はのっけから凄い音圧に驚かされる。ベースとドラムが地響きのようだ。ポールのボーカルがセンターへ修正。べースも一緒にセンターへ。シンバルが左。コーラスは水平に広がり、ギターは右に定位。そう、アルバムジャケットの四人の並び通りに変わった!

ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
旧盤のリンゴのヴォーカルはセンターから。コーラスは均等に広がるがバランス上やや左。シンバルが右から聴こえる。新盤もヴォーカルはセンター、ドラムもセンターで位置が揃った。ベースはやや右に定位しコーラスがきれいに水平に広がる。ポールのベースの硬質な響きが快感。

ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ
イントロのオルガンは左から。ドラムの打撃も左だ。ジョンのリードヴォーカルはセンター。ポールのベース、コーラスもセンターに定位。新盤でもこの定位自体は変わらない。イントロは左、ジョンのヴォーカル、ベース、シンバルもセンター定位。八拍子のスリーパート目へリズムが変わる予告のスネアもセンター。地響きのようなべース。センターにエネルギーが集まって見事にヘビーロック。

ゲッティング・ベター
ギターリフとドラムスは左。ポールのヴォーカルはセンター。コーラスはそれを支えるようにセンターバック。手拍子は右、タンブーラは左から。ベースはセンターで旧ステレオミックスにしては珍しくポールの歌と重なっている。新盤のイントロはギターが左右で掛け合い。べースがやや右に、シンバル左。ポールのヴォーカルはセンターでコーラスも水平均等。「ベター、ベター、ベーター。」は左右から重なるようにハモる。

フィクシング・ア・ホール
旧盤のイントロのチェレスタは左。シンバルも左。だから全体にウェイトが左。ポールのヴォーカルはセンター。それに応えるギターのオブリガートが右。ただしベースは左なのでポールの歌と一致しない。ヴォーカルは高々と定位しきれい。ジョージのギターソロは右。新盤ではイントロのチェレスタを左右に振り分けている。唸るベースのローエンドが伸びて鮮明に。ヴォーカルはセンター。ギターソロもセンター。金属的響きが生々しく生まれ変わった。

シーズ・リーヴィング・ホーム
旧盤のイントロのハープは右。ヴォーカルはセンターから。チェロが左。バイオリン、ビオラ加わると水平方向に豊かに広がる。通常のカルテットと逆配置だ。コーラスは水平に奥まって広がる。新盤でもハープは右。ボーカルセンター、チェロ左は変わらない。低弦の響きが鮮明になりストリングスの解像度が大幅にアップ。楽器の個々の音色と質感が鮮明になった。終盤のコーラスの広がり感が増し、リードヴォーカルを甘く切なく包み込む。

ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト
4月のポール日本公演で披露された曲。旧盤のジョンのヴォーカルは終始右から。ドラムはセンター、ジンタを模したシンバルがセンター。ベースもセンターやや左。コーラス中間部のサーカスの情景を描写した音楽は均等に広がる。新盤は、旧盤以上に音をセンターに集めた印象。ドラムが切れを増し重量感あるベースとセンターから迫る。シンバルはやや左。中間部のサーカス音楽が奥行きを増す。終盤音場が奥行き方向へ深まり(引っ込み)過度なステレオ感は自重。

ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー
旧盤はタブラが左、シタールが左から。西洋楽器のヴァイオリンとチェロはセンターから右、ジョージのヴォーカルはセンター。新盤は、タブラ左は変わらず。左から右へなまめかしく広がるシタール。ジョージのヴォーカルがセンターにくっきり浮かび上がって広がる。密度があり生動感を帯びた。帯域も改善され西洋楽器がセンターへ集約。

ホエン・アイム・シックスティー・フォー
ポールのヴォーカルは左から。コーラスは右。ジョージ・マーティンの吹くクラリネットはセンターやや右。リズム楽器と控えめなギターはセンター、オブリガードの鐘は左から。新盤は、ヴォーカルがセンターへ。ブラシワーク左。ドラムとベースはセンターから。コーラスもセンター。クラリネットはやはり右。ただし最後にヴォーカルとセンターで重なる。鐘は左。

ラブリー・リタ
旧盤はギターとピアノのイントロが左。ドラムスも左から。コーラスはセンターから水平に広がる。ベースもセンター。コーラスは右。中間部ピアノソロやや右だが終結部でピアノは左へ戻る。新盤は、ベース、ドラムス共センターへ。イントロのピアノは右。シンバルはやや左。コーラスと中間部のピアノは右。楽器定位はそれほど変わらないが、ノイズシェービングされて鮮度が生まれた。

グッド・モーニング・グッド・モーニング
旧盤のイントロのコケコッコー、はセンター。続くブラスは右から。ドラムスとベースのリズム隊は左。ジョンのヴォーカルはセンター、コーラス間のポールのギターソロはセンター。つまりブラスとドラムスが掛け合いする感じ。ラストの各種動物の鳴き声は徐々に右から左へバランス移動。一方、新盤は大幅にセンターへエネルギーを集めたモノ的バランス。ブラスも左右均等に鳴り響く。ドラムスもセンターだがスネアのドン、が左からオブリガード的に入る。

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ)
旧盤のポールのカウントは左、コーラスはセンター、マラカス?は左、ドラムスの打撃はセンターから。新盤は、音がセンターへ集中。ギターのオブリガードは左から。音場がクリーンになり、立体感が進展。

ア・デイ・イン・ザ・ライフ
旧盤はジョンのヴォーカルが右から出て徐々にセンター定位する。ギターのカッティングが左、オケはセンターから鳴る。ポールのパートに変わるとヴォーカルは右、ピアノは左。アーアーヴォーカルは右から左へ。セカンドコーラスのジョンのヴォーカルは左から出て徐々にセンターへ。ラストのオケは左右均等にクレッシェンドしデクレッシェンドする。最後の話し声は右から左へ循環する。新盤は、イントロのギター、ピアノは左。バランスを取るようにドラムスは右から。ヴォーカルとベースはセンター。ステレオの分離を強調したバランスだ。目覚まし時計は左から。ラストのジャーンの音圧と帯域、残響効果がめざましい。話し声は左から右へさらに左へ循環する。オリジナルのステレオミックスは、ポールの歌と彼が弾いているはずのベースの位置が一致しなかったり、ドラムスのシンバルとスネアが左右から別々に聴こえたり、ステレオ効果を意識した結果、不自然極まる音場だったのはつとに知られる通り。

今回は「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のスタジオワークが生んだ虚構的音楽世界を活かしつつ、ロックバンドとして最盛期にあったビートルズの気迫溢れるバンドアンサンブルを尊重している。帯域の拡張はめざましく、別記自宅システムで聴く新盤は地響きのようなすさまじい轟音を堪能できる。

裸のサージェントペパーが見えるディスク2、3
次に<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のディスク2、3を紹介する。サージェントのセッションの初期テイクを録音時期順に収録したもので、これを一枚にダイジェストしたものが2CDバージョンの<CD2>だ。特筆すべき第一は、収録テイク全てがステレオミックスであることだ。それも完成版テイクのようなギミックなステレオ効果を狙わずない「素の」バンド演奏、あるいはオーケストラ(カラオケ)演奏なので「裸のサージェントペパー」がくっきり見えてくる。第二は、アルバム収録曲だけでなく、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」と「ペニー・レイン」のテイク違いを複数収録、曲の成長変化を追体験できる。冒頭に書いたが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のセッションは1966年11月、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」から開始された。この二曲をアウトテイクと考えずアルバム収録曲同等の待遇を与えたわけだ。<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のディスク4には、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のオリジナルモノラルミックスからの2017年のダイレクト収録全13曲と、ボーナストラックには「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」/「ペニー・レイン」のオリジナルモノミックス、さらに「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」「シーズ・リーヴィング・ホーム」の未発表モノミックスが収められている。筆者が興味深く聴いたのが、TR19の「ペニー・レイン」、米キャピトル・レコーズ・U.S.プロモ・シングル・モノミックスだ。アセテート盤から集音したと思しきノイズまみれの酷い音質でアレンジ、演奏共に流通している正規バージョンと変わらず「収録の価値アリ?」と訝しく思って聴いたら、ラストの(ピッコロ)トランペットソロにリフレインがあった! 最後まで聴くものですな。

第三章 スーパー・デラックス・ボックス・セット BD/DVDの内容
次に<スーパー・デラックス・ボックス・セット>に含まれるDVDとブルーレイディスクの内容を見てみよう。二種の映像ディスク(Blu-ray/DVD)は記録フォーマットが違うだけでコンテンツは同じだ。ただし後述するが、音声形式が異なる。18,000円のソフトを買うほどの人がBD再生機を持っていないとは考えにくく、DVDの再生機会はあまりないのではないか。友達や彼女に貸す時のための「レンタル専用ディスク」かも? それでは内容を見てみよう。再生開始するとバックに「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」タイトル曲と「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」が交互に流れメイン画面が表示、AudioパートとVideoパートに分かれている。Videoパートは4チャプターで構成、「ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ」、発表当時のプロモーションフィルム(現代のビデオクリップ)3種、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニー・レイン」だ。「ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ」は、イントロ+全曲解説でアルバムの背景と製作プロセスを回顧する約50分のドキュメント。1992年製作は「アンソロジー」と重なる。昨年鬼籍に入ったジョージ・マーティンが証人にして語り部である。インタビュー先はポール、リンゴの他まだ存命だったジョージ・ハリスン、さらに「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」成立へ音楽上の啓示を与えた海の向こうのライバル、ブライアン・ウィルソン(ザ・ビーチボーイズ)、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に深い影響を受けた次世代のミュージシャンの代表にフィル・コリンズが登場する。インタビューシーンはカラービデオ撮影だが、'90年代の映像にしてはややノイズが多い。随所に挿入される1967年の映像の大半はモノクロスタンダード。BDの音声はPCMステレオ48KHz/24Bit。一方のDVDは、量子化ビット数がダウンしPCMステレオ48KHz/16Bit。「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」(四人が野原でサイケなピアノと一日戯れる)と「ペニー・レイン」(かつてジョンが住んだペニー・レインを四人が白馬に乗って散策する)のプロモフィルムは有名だが、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のプロモフィルムは初めて見た。題名曲でのオーケストラとのセッション風景とロンドンの怪し気なソワレ(夜宴)の情景をモンタージュしたストロボ効果多用の「いってる」映像で、ミック・ジャガーと当時の恋人マリアンヌ・フェイスフル(可愛い!)、キース・リチャーズらが顔を出す。「愛こそはすべて」のクリップの不健全版といった印象だ。BD音声は、DTS-HD MASTER AUDIO 5.1、DOLBY TRUE HD5.1、PCM STEREOのロスレスHDオーディオ三種だが、特筆大書すべきは全て96kHz/24bitのハイレゾであること。後述するが、サラウンドもステレオも音質はよい。一方のDVD音声は、ロッシーのDTS5.1、DOLBY DIGITAL、LPCM ステレオ(48KHz/24Bit)に止まる。

次にAudioパート。「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」全曲と「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」「ペニー・レイン」のリミックス音声が収録。BD音声は、DTS-HD MASTER AUDIO 5.1 96KHz/24bit、DOLBY TRUE HD 5.1 96KHz/24bit、PCM STEREO 96KHz/24bitの三種。Videoパート同様、DVD音声はロッシーにグレードダウンする。Audioパートを再生した場合、映像に「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のアルバムアートワークが表示され、BDは音楽に合わせてCGで線画に色が付いたり消えたり塗り絵的に変わって行くが、DVDの場合、完全なスチルだ。映像ディスクで最も注目されるのが、BDのAudioパートの5.1chロスレスハイレゾ音声による「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」全曲再生。サラウンド嫌いの音楽ファンにこそ聴いてほしい新鮮な「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」だ。ビートルズの他のアルバム、例えば「フォー・セール」や「ラバー・ソウル」をサラウンドで聴いても面白くなさそうだが、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」そして「リボルバー」は違う。コンサート活動を停止しアルバム制作に全エネルギーとアイデアを傾注した時期の作品で、自由な実験精神と遊び心に満ちているからだ。といっても、今回の5.1ch音声は音源が360度グルグルパンしたりはしない。立体効果を誇張せず音場の拡張深化を狙った、自然な包まれ感の、優しい佇まいの音空間だ。解像度アップで音色が生彩と色彩感を増していることも注目。「音楽に浸り時空をトリップする」アルバム本来の狙いが50年後のテクノロジーで蘇った。「ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ」のジョージ・マーティンは、スタジオのミキシングコンソールのノブを上下し、ヴォーカルトラックと楽器のトラック、さらに効果音のトラックのバランスを変えてみせ、いかに多くの音のエレメントと実験精神がこのアルバムに詰まっているかをカメラに向かって喜色満面に語る。「ストロベリー・フィールズを最初にジョンが弾いて歌った時、十分に素敵な曲だった。しかし、彼らはそんなことで満足しなかったのだ」。その結果、「プリーズ、プリーズ・ミー」の318倍の時間が録音に費やされた。「(新作が何カ月も途絶えている)ビートルズはもう駄目になったのか?」と音楽ジャーナリズムが陰口を叩いていた時、アビイ・ロード・スタジオの密室の向こうでは、果てしない音楽の実験が続行されていた。「ペット・サウンズ」はブライアン・ウィルソン一人の孤独な実験作業だった(録音時、弟たち=ザ・ビーチボーイズは日本公演の最中だった)が、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は四人とジョージ・マーティンの合作だ。さらにEMIの擁する優れたミュージシャン(金管奏者、弦楽奏者)やマル・エヴァンス初めビートルズギャング達のサポートがそこに加わった。実験のスケールと物量が違う。その結果完成した時のインパクトも桁違いだった。当時のレコード録音技術の全てが傾注された「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は「演奏の記録」という旧来のレコードの価値観を乗り越え、録音音楽の可能性に挑戦したエポックメイキングな作品だ。しかし、選良のための排他的な芸術になることを潔しとせず、良質なエンターテインメントであることを片時も忘れていない。<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のセッション集を聴いていて筆者は深く感銘を受けた。「ゲッティング・ベター」「ラブリー・リタ」はポールの書いた曲だ。しかしスタジオで演奏の指揮をしているのはジョンだ。そう、「ポールの曲」でなく「俺たちの(ビートルズ)の曲」なのだ。アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」発売でビートルズの影響力と名声は頂点に上り詰めたが、「ジョージ・マーティン氏の最高傑作」という某新聞のアルバム評に彼らはひどく腹を立て、自身が設立したアップルレコードによる次回作「ザ・ビートルズ」ではセルフプロデュースの道を模索する。その時、彼らのまとめ役だったマネジャー、ブライアン・エプスタインはすでに世を去っていた。バンドの絆は失われ次第にジョンの曲はジョンの、ポールの曲はポールの曲に変わって行く...「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」セッションの多くのベーストラックに耳を傾けてほしい。聞こえてくるのは、気合いが籠もって引き締まった四人一体のグルーヴィなバンドサウンドだ。壮大な実験精神と現役ばりばりのロックバンドサウンドの掛け算が生んだワンアンドオンリーな奇跡的な音楽作品「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。初めて「50周年記念エディション」の栄誉を担った理由はそこにある。世界的アナログブームの最中に発売の「50周年記念エディション」には、2枚組LP仕様(180g重量盤)も用意される。今回の紹介に間に合わなかったが、機会をあらためユニバーサルとファイルウェブ編集部のご協力を得て、筆者のイギリス初出モノラル盤(PMC7027)、日本初出ステレオ盤(オデオンOP-8163)と音質の比較を試みてみたい。

試聴システム
CD
プレーヤー:ヤマハ CD-S3000
プリアンプ:アキュフェーズ C-2850
パワーアンプ:アキュフェーズ P-6000(×2)
スピーカー:B&W 802 Diamond
スピーカーケーブル:SUPRA「SWORD

Blu-ray/DVD
プレーヤー:OPPO BDP-105JLTD
AVアンプ:デノン AVR-X6300H
フロントスピーカー:B&W 802 Diamond
センタースピーカー:B&W HTM2 Diamond
サラウンド、サラウンドバック:B&W 636(×4)
スーパーウーファー:KEF PSW2500
スピーカーケーブル:サエク SP-850、SP-650

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